メアリー・シェリー

ホラー映画として「フランケンシュタイン」を観た事がある人は割りと沢山いるのではないでしょうか。

映画としても十分楽しめるかもしれませんが、
私的には、その本当の価値を知るためには
原作を読んでみるべきだと思います。

作者はメアリーシェリーという英国の女性ですが、
彼女夫は「英国ロマン派」の一人に数えられる
パーシー・シェリーという詩人でした。

 

そんな偉大な詩人シェリーの妻メアリーによる小説「フランケンシュタイン」ですが、
単なるホラーではなく、真面目な心理上のテーマを扱っていると思います。

ビクター博士によって作り出された人造人間フランケンシュタイン。

人と同じ心を持ちながら、彼の見た目は非常に恐ろしいものでした。

外見の恐ろしさ故に、彼は人間から化物扱いを受けます。

好意を持っている人間に、自分の外見だけを理由に
とことん嫌われ、迫害されたとしたら?

人間への好意が憎しみに変わっても無理はありません。

また、フランケンシュタインは人造人間であるが故に
「親」と呼べる存在は彼を作り出した科学者ビクターしかいません。

フランケンシュタインからすれば、
どうして人と同じ心と一緒に人から恐れられるような
おぞましい外見を与えたのかと、
ビクターに問いかける正当な権利があるでしょう。

人造人間を作り出した科学者は人造人間の「親」として
親の責任を果たさなくてはいけないのでしょうか?

あるいは、どんなに人と同じような思考や感情を持っていても
ロボットは所詮は人間の道具なので、
役に立たないと分かった時点で廃棄していいものなのでしょうか?

これから本当に人の心を持ったロボットが
作り出されるようになるかもしれませんが、
その時には「ロボットの権利」が真剣な議題になるかもしれませんね。

今日は「フランケンシュタイン」の前半部分を
紹介していきたいと思います。

少年ビクター

物語は後にフランケンシュタインを作り出す科学者、
ビクターの生い立ちから始まります。

ビクターは善良な両親のもとに生まれ、
少年時代より自然を支配する法則を理解しようと、
科学を熱心に勉強しました。

まだビクターがまだ小さい頃、
彼の両親は貧しい女性に孤児として
育てられていたエリザベスに出会います。

エリザベスが高貴な生まれであると直感した両親は
彼女を引き取ることを申し入れ、
その日よりエリザベスはビクターの家族の一員となったのでした。

ビクターが17際のころ、エリザベスは思い病気にかかります。

ビクターの母は無理をしてエリザベスを看病し続けますが、
それが彼女にとって不幸の元になりました。

エリザベスは一命をとりとめましたが、
母が今度は病気にかかり、彼女はそのまま他界してしまいます。

死の床で母がビクターとエリザベスに残した言葉、
それはビクターとエリザベスが将来夫婦として
結ばれて欲しいという願いでした。

My children, my firmest hopes of future happiness were placed on the prospect of your union.

我が子達よ、私の幸福の最も確かな希望は
お前達が結ばれるという予感だった。

それえからまもなくしてビクターは大学へ進学する為、
両親とエリザベスの元を離れ、大学のある街、インゴルシュタットへと
旅立ちます。

そこでビクターは自然哲学を専門とする
クレンプ教授と出会ったのでした。

ただ、この出会いこそ、後に彼の運命を破滅へと導くものだったのです。

Chance–or rather the evil influence, the Angel of Destruction,which asserted omnipotent sway over me from the moment I turned my reluctant steps from my father’s door– led me first to M. Kremp

私が父の家を出た瞬間から私を全能の力で支配していたもの、
–それは「偶然」というより「邪悪な影響力」、あるいは
「破壊の天使」と言うべきものであるが–
その力は私をはじめにクレンプ氏のもとへと導いたのである。

これからビクターは本格的に科学を学んでいくのでしょう。

ただ、今日はこの辺で。笑

また次回、物語の続きを紹介したいと思います。