今回は、「使役表現」を扱っていきます。

使役とは、日本語では「~させる」という言葉に相当します。

英語で、「~させる」という場合、代表的なものに、
makeとletがあります

結論から言うと、letは「許可」の意味であるのに対し、
makeは「強制」の意味になります。

一方、日本語では、「させる」という言葉が、
ある時は「許可」として使われ、あるときは「強制」の意味で使われます。

精神科医は患者に思うままに話をさせた。 (許可)

母は娘に宿題をさせた。        (強制)

このように、日本語では同じ「させる」という言葉で
許可と強制をかねています。

この事が英語の「使役表現」を理解する上で、
少なからず混乱を招いているように感じます。

英語のletとmakeの違いは意識して覚えておくべきでしょう。

[強制の意味を持つのがmake]

My parents made me eat vegetables almost every day.
私の親は、ほとんど毎日私に野菜を食べさせた。

 

Rainy days and Mondays always made Louis very sad.
雨の日と月曜日はルイスをいつも憂鬱にさせる。


[許可の意味を持つのがlet]

Yesterday, she let the dog go outside without a leash, and the dog ran away.
昨日、彼女が綱をつけずに外で犬を放したら、犬は逃げてしまった。

 

My father let me drive his car.
父は私が父の車を運転することを許可してくれた。

 

「強制」と「許可」の違い

makeとletには、日本語に訳すと共に「~させる」となってしまうことが、
混乱の元になっているように思えます。

letの意味が許可であるのに対し、
makeの意味が強制である。

これが原則なのですが、あらためて、「許可と強制の違い」について、
少し掘り下げてみたいと思います。

すでに行為者の意思、意欲が存在しているのが許可の前提

何かを”許可する”ということは、必然的に、その行為を行おうとしてる
人(または物)に、既にその行為を実現したいという欲求が前提になっています。

そして、許可とは言い換えると、その欲求が発現するのを、「邪魔しない」とか
「干渉しない」という事です。

現に、

she let the dog go outside without a leash
彼女は綱なしで犬を放した。

という文では、犬がとった行動はgo(飼い主から離れること)ですが、
綱をはずされる前から、犬に「動き出したい」という欲求があったことは明らかです。

そして「彼女」がとった行動というのは、
犬の欲求を邪魔することなく、犬の好きなようにさせた事、
つまり、let(許可)したのです。

また、ビートルズの歌としても有名なLet it beというフレーズ。

「ありのままに」と訳されていますが、
ここでもletが使われています。

letの対象になっているのが、itなのですが、
このitとは、一体何なのでしょうか。

実はこのitは「状況一般」などを表していて、
特定のものを指しているわけではないのです。

同じことが

It is raining. 「雨が降っている」

という文でもいえます。

ここでのitは、特定のものを指しているのではなく、
やはり「状況一般」、この場合には天候のことを意味しています。

つまり、Let it beという表現では「状況一般(it)」がbe(成る)ことを許可(let)せよ、
すなわち、自分を取り巻く状況に対して、こちらから干渉しない態度をとろう、
といった意味になります。

ちなみに、こういった態度のことを英語ではacceptanceといいます。

日本語の「諦念」や「諦観」と近いですね。

これを、簡潔に表現したのが「あるがままに」という訳語というわけです。

このように、letには許可の意味があるといっても、
許可をする対象が、人や動物だけではなく、let it beにみられるように、
「状況一般」という抽象的なものの場合もあります。

ゆえに、Let it beとは、「自分の成りたい姿をとっていく現実」を「許す」、つまり
現実をありのままに受け入れなさい、という意味になります。

強制とは、強制される側の意思に無関係に行動を起こさせること

何かを強制される側は、自らの意思と関わりなく、強制する側の意図した
行動をとらされることになります。

My parents made me eat vegetables almost every day.
私の親は、ほとんど毎日私に野菜を食べさせた。

 

上の文では、「私」が強制される側で、
「私の親」が強制する側となっています。

そして、強制される行動が「野菜を食べる」ことです。

madeが使われているため、「野菜を食べる」ことが、
本人の意思に反していたとしても、
親の意図から行われていた、という事になります。

また、

Rainy days and Mondays always made Louis very sad.
雨の日と月曜日はルイスをいつも憂鬱にさせる。

 

という文では、made(makeの過去形)が使われているため、
「強制」の意味を持ちます。

この場合は、「雨の日と月曜日」がLouisを、
very sad(とても憂鬱)にすること、において「強制力」が働いています。

自分から進んで憂鬱になりたい人なんていませんからね。笑

まとめ

では、今回の内容をまとめておきます。

make O V
で「OにVさせる」という強制を表す。

let O V
で「OにVすることを許す」という許可を表す。

是非、あなたの英語学習にお役立て下さい。