冠詞について

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冠詞について

今日は冠詞について解説したいと思います。

冠詞には、2種類あり、
theを定冠詞(definite article),
a,anを不定冠詞(indefinite article)
といいます。

英文法の中でも、
「冠詞の使いかたがよくわからない」
という声をよく耳にします。

つまり、
「いつ定冠詞を使い、いつ不定冠詞を使えばいいのか?」
また、
「冠詞を用いない(zero article)とするのはどのような場合なのか?」
といった疑問です。

この記事では、冠詞のポイントである、
「特定すること」に焦点を当てて、
冠詞の使い方を解説します。

「物」が特定されるとは、どういうことか

実は、「冠詞」を理解するためには、
たった一つの「本質」を知っておくだけで十分です。

”物”が特定される場合には定冠詞theを使う。

では、「特定される」とは、一体どういう事でしょうか。

一つの言葉は、その「種」に属する無数の「個体」を
包括します。

例えば、「リンゴ」という言葉は、世の中に存在する
無数のリンゴ全てを、包括しています。

これによって、私達は”リンゴ一般”について語る事ができます。

例えば、
「リンゴとは中に甘い蜜を含んだ美味なる果実である。」
と言えば、これはほとんど全てのリンゴに当てはまる一般論ですね。

このように、言語が一つの単語で「種」を表せる、ということ、
それによって私達が、一般論を展開できることは、
考えてみると、非常に便利なことではないでしょうか。

リンゴについて語るために、世界中のリンゴを全てチェックする
必要がないのですから。

では、「”物”を特定する」とは、どういうことなのでしょうか。

「特定のリンゴ」というのは、
例えば、あなたが今日の朝食べたリンゴのことです。
(実際、今日の朝リンゴを食べたことにしましょう。)

あなたは、そのリンゴに対して、
「今朝食べたリンゴは少し酸っぱかったな。」
のように、”特定された一つのリンゴ”について語ることができます。

「そのリンゴが酸っぱかった」という事実は
リンゴ一般に当てはまる事ではなく、
あなたが食べた「特定のリンゴ」に言えることです。

これが「特定する」という意味になります。

特定されたものには定冠詞(the)をつけ、
特定されない単数のものには不定冠詞(a,an)を使う。

これが、冠詞のルールです。

冠詞の使い方の実例

では、実際の英文を通して、
冠詞によって、どのように文の意味が変わってくるのか
みていきましょう。

1. Please hand me the pen.
2. Please hand me a pen.

これら2つの文の違いはpenの前についている
冠詞(the,a)の違いのみとなっています。

もし、日本語で同じことを言うのであれば、
「ペンを渡して下さい。」
となるでしょう。

では1と2の違いは何なのかというと、

1ではpenが特定されているのに対し、
2ではpenが特定されず、penなら何でもいい、

という事なのです。

つまり、theが使われている

Please hand me the pen.

では、「ペン」が話し手と聞き手の両者にとって
「そのペン」とわかるような、ある特定のペンと
いう意味になっているのです。

(もし彼らがオフィスで仕事をしているMikeとJohnという
仕事仲間ならば、”そのペン”はJohnの机の上にある水色の
ボールペンかもしれません。)

一方で、不定冠詞のaが使われている

Please hand me a pen.

という文では、「ペン」は特定されず、
「ペンならば何でもいいから渡してくれ。」
という意味になります。

このように、話し手と聞き手との間で
「あれ」とわかる特定されうる物を
指し示していくのが定冠詞theであり、

特定されない、すなわち「その種類のものなら何でもいい」
という意味を付与するのが不定冠詞(a,an)です。

では、次の例に移りましょう。

1Tim will bring the gift to his girlfriend’s birthday party.

2Tim will bring a gift to his girlfriend’s birthday party.

上の文は、両者とも
「ティムは彼女の誕生日パーティーにプレゼントを持ってくつもりだ。」
という内容です。

そして、これらの違いはgiftの前に
付いている冠詞が、theかaということ。

では、冠詞の違いが、どのような意味の違いを
もたらすのでしょうか。

1では定冠詞theが使われているので、
プレゼントが特定されます。

ティムのプレゼントが具体的に何なのか、
(時計なのか、花なのか、指輪なのか、etc…)わかりませんが、
もう既にティムはそのプレゼントを用意していることになります。

そして、読み手も、”そのプレゼントが何なのか”を
特定できるだけの情報を既に持っていることが前提となっています。

一方で、2では、プレゼントが特定されていません。

つまり、
「(何かはわからないが)ティムはプレゼントを持っていく。」
という意味になります。

さらに、例をみていきましょう。

1 Have you ever studied the history of Japan?
日本の歴史を勉強したことがありますか?

2  History reminds us that events repeat themselves.
歴史を学べば、出来事は繰り返される、ということがわかる。

これらの文では、いずれもhistory(歴史)という言葉が
使われています。

1ではhistoryに定冠詞theが付いているのに対し、
2のhistoryは冠詞なし、となっています。

では、1と2における「歴史」には、
どんな違いがあるのでしょうか?

1におけるhistoryは定冠詞theが付いているため、
「特定の歴史」になります。

実際に1では「日本の歴史」
という歴史の中でも特定のものに言及しています。

一方で2では、historyが無冠詞となっています。
このため2の「歴史」は「一般に歴史というもの」
といった意味になります。

つまり、日本史であれ、中国史であれ、
歴史を学ぶことで得られる教訓は、
出来事が繰り返されることだ、という事です。

もしかしたら、あなたは
A history…とはならないのか。」
と思ったかもしれません。

英語では、数えられる物と、
数えられない物を区別しています。

数えられるものとは、物理空間にポツリポツリと存在し、
ひとつ、ふたつ、と文字通り数えられる物のことです。

木(tree)、家(house)、車(car)、トマト(tomato)、…

こういった物は数えることができます。

一方、数えられないもの、とは、
「量」や「抽象的なもの」です。

水(water)、お金(money)、コーヒー(coffee),…

これらは、「量」で与えられるものとして、
数えることができません。(お金も英語では「量」として捉えます。)

時間(time)、真実(truth)、歴史(history)、…

これらは、「抽象的なもの」として
数えることができません。

そして、不定冠詞(a,an)は
数えられる物にのみ使う、というルールがあります。

a,anには「一つの」という意味があるため、
その物が数えられるという事は、前提になっているわけです。

このため、historyは無冠詞となっています。

余談になりますが、数えられる、数えられない、の話は
物の種類によって厳密に定まっているわけではなく、
文脈によって判断していくべきものです。

例えば、coffeeは「量」として認識されれば「数えられないもの」
なのですが、

He ordered a coffee.

と言うことも可能です。

これは、つまり

He ordered a cup of coffee.
彼は一杯のコーヒーを注文した。

という意味です。カップは数えることができるので、
coffeeの前にaが付いています。

最後に、「数えられるもの」に対して、一般論を展開する場合は
どうすればいいのか、という疑問にお答えしたいと思います。

一つのやり方としては、

Children are curious.
子供は好奇心が旺盛なものだ。

のように、主語を冠詞無しの複数形にするというもの。

child(子供)は、数えられる名詞です。

ここでは、子供を複数形(children)にすることで、
「子供というものはそもそも」という一般論になっています。

aとanの使い分けは発音で決まる

不定冠詞のaとanですが、
これには決まったルールがあります。

「母音で始まる単語の前にはan,子音で始まる単語の前にはaをつける」
というものです。

a book 一冊の本
an autobiography 一冊の自叙伝

基本的には、母音(a,i,u,e,o)で始まる単語には
anをそれ以外の文字で始まる単語にはaを
使っていけばいいということになります。

しかし、この規則には若干の例外も存在します。

注意すべきなのは、aとanの使いわけが、
スペルではなく、発音を基準にしているということです。

例えば、「名誉」という意味のhonorですが、
はじめのhは発音されません。

「アナー」のように発音をします。

従って、不定冠詞を使うときはanになります。

○ an honor
✗ a honor

同様に、a,i,u,e,oで始まる単語でも、
はじめの発音が母音とならないものも存在します。

a UK-based company
an UK-based company

このように、「a,i,u,e,oで始まる単語の前の不定冠詞はan」
という規則には例外がありますが、それらは少数です。

よって、基本的には
「a,i,u,e,oで始まる単語の不定冠詞はan」
というルールに従っていれば問題ありません。

たまに、an SOS-callのような例外に出くわす、
という感覚です。

入試問題の出題者が好みそうなテーマですね。笑

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  1. 2017 08.15

    言語と思考

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運営者プロフィール


中地 あきら

某都内有名私大で数学を学ぶ。

数学研究のかたわら、語学の魅力に取り憑かれ、
英語、ドイツ語、フランス語、ラテン語などを独学する。
哲学、心理学、投資などにも興味を持ち、
国内、国外問わず、本を読み漁る。
また、インターネットを通して、様々な国の友人を得る。

大学卒業後、予備校の世界へ。

数学を教えながら、語学ができることで見える世界と
日本語のみの世界の差を痛感する。
「英語でみえる世界」をひろめるために、
英語ブログ「英語で新しい自分になる」を設立。

趣味は、読書、ウォーキング、Fxデイトレード など。

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