1.仮定法を理解するために

仮定法というと、難しいイメージを
持っている方も多いかもしれません。

仮定法は、あるポイントに注意すれば
理解がとても楽になります。

そのポイントとは、
仮定されている事柄が現実世界にあることか
どうかです。

現実世界で起こり得る事柄を仮定する
ときは、通常と同じ動詞を使います。

それが現在のことであれば、現在形を
過去のことであれば、過去形です。

しかし、現実世界では起こり得ないこと事や、
もう起こってしまった過去と別のシナリオを
想像するときに、動詞の時制をずらします。

現在の非現実なことに対しては、過去形を、
過去の非現実なことに対しては、過去完了形
を使うのです。

これは、非現実なことは心理的な距離が
広がるためです。

数学でも、公式を丸暗記するより、
公式の意味を理解したほうが、
応用力は飛躍的に上がりますよね。

仮定法は、公式的に覚えることもできますが、
大事なのは、

非現実なことを想像して。
「もし~だったら」と言うときは
動詞の時制を一つ後ろにずらす、

ことだと覚えて下さいね。

では、具体的に仮定法のパターンを
みていきましょう。

2.仮定法のバリエーション

2.1 現在の現実的な仮定
if/when …(現在形)…, …(現在形)…

When I have a day off from work, I often go to the beach.
仕事が休みの日には、私はたいていビーチに行きます。

If the weather is nice, she walks to work.
天気が良ければ、彼女は歩いて仕事に行きます。

上の文では、「仕事が休み」、「天気がいい」が
仮定されている事柄です。

これらは、現実世界に属します。

よって、時制のズレは起こらず、
現在形が使われているのです。

whenとifのニュアンスの
違いも押さえておきましょう。

whenは仮定されている事柄が頻繁に起こることを
暗示し、ifは仮定されている事柄がレアであることを
暗示します。

When I have a day off from work, I usually go to the beach.
(仕事が休みの日は定期的にある、というニュアンス)
If I have a day off from work, I usually go to the beach.
(めったに仕事が休みの日がない、というニュアンス)

2.2 現在の非現実な仮定
if/when …(過去形)…, …would/could/might+(動詞)…

If I owned a car, I would drive to work. But I don’t own a car.
車を持っていたら、車で仕事にいくのだけど。私は車をもってない

Mary would move to Japan if she spoke Japanese.
メアリーはもし、日本語を話せたら日本へ移住するだろう。

上の文では、仮定されているのは、

「(車をもっていないのに)車を持っていること」

「(日本語を話せないのに)日本語が話せること」

です。これらは、想像の世界に属します。

このように、非現実なことを仮定するときは、
現在のことについて述べていても、過去形の
動詞を使います。

また非現実の仮定では
whenは使われないことにも注意です。

✗ I would buy that computer when it were cheaper.
○ I would buy that computer if it were cheaper.
もっと安かったらそのコンピューターを買うのだが。

2.3 過去の現実的仮定
if/when…(過去形)…, …(過去形)…

When I had a day off from work, I often went to the beach.
仕事が休みの日には、よくビーチに行きました。

If the weather was nice, she often walked to work.
天気が良い日には、彼女はよく車で仕事に行きました。

上の文では、いずれも、過去に実際に起きていた事を
条件にしています。

過去を回想して、「○○なときは、~~していた」
という言い方をしています。

よって、現実世界のことを仮定しているので、
時制のズレは起こらず、過去のことは過去形で
述べられています。

また、過去の習慣を表す表現として、よく使われるのが
used toですね。

「(以前)~したものだった」
という意味です。

上の文はused toを使っても同じ意味になります。

When I had a day off from work, I used to go to the beach.

If the weather was nice, she used to walk to work.

2.4 過去の非現実な仮定
if …(過去完了)…, …would/could/might+(動詞)…

If Jack had worked harder, he would have earned more money.
ジャックはもっと頑張って働いていたら、もっとお金を稼いでいただろう。

She would have traveled around the world if she had had more money.
彼女は、もっとお金があったら、世界中を旅していただろう。

What would you have done if you had won the lottery?
宝くじに当たっていたら、君はなにをしただろうか?

これらの文では、
既に変えることのできない過去の事実に対して、
違ったシナリオを想像しています。

つまり、仮定されることが
想像世界に属します。

よって、時制のズレが起こり、
過去のことに対して、過去完了形が使われています。

2.5 未来の現実的仮定
if/when…(現在形)…, …(未来形)…

Jerry will help me with my homework when he has time.
ジェリーは、時間がある時に僕の宿題を手伝ってくれるだろう。

am going to read if there is nothing on TV.
テレビでなにもやってなかったら、読書をするよ。

起こり得ることを考えて、
もしそれが起こったら、未来にどうするか、
という言い方です。

2.6 未来の非現実な仮定
if … were +(現在分詞), … (would be )+(現在分詞)…

If I were going to go to Fiji next week, I would be taking my scuba diving gear with me.
もし来週フィジーに行くのだったら、スキューバダイビングのセットを持っていくのだが。

上の文では、「フィジーに行く」ことが
未来の出来事として想像されています。

しかし、未来のことを言っているのに、
wereという過去形の動詞が使われている
ことから、「フィジーに行く」ことは
実現できないことだとわかりますね。

2.7 補足 were to~について

were toは起こる確率が非常に低いことや、
想像するだけでぞっとする事
仮定する時、使われます。

If he were to be my boss, I think I would quit the next day.
もし彼が私の上司だったら、明日にも会社をやめるだろう。

(彼が上司である事を想像するだけで
ゾッとする、というニュアンス。)

If Peter were to decide to go to America to study, Sarah would be devastated.
もしピーターがアメリカに留学する決心をしたら、サラはショックだろうな。

(ピーターのアメリカ留学の決心は、
おそらくないだろう、というニュアンス。)

3.まとめ

外国語を学ぶ醍醐味は
新しい視点を与えてくれることです。

英語や、その他のヨーロッパ言語は
日本語と全く異なる構造をしているので
発見の連続ですね。

日本語でも、ありえないことを想像して
「もし~だったら」といいますが、
実は、「だった」という過去形が
使われてます。

日本語と英語の共通点を探す視点で
英語を勉強していくのも、楽しいですね。